泌尿器科
男性にみられるお悩み、病気(臓器別)
前立腺の病気
このような症状はありませんか?
- 排尿の回数が多い、特に夜間に排尿に何度も起きる
- 排尿の勢いが弱い
- 尿が残った感じがする
こんなときは前立腺肥大症かもしれません
- 60歳以上の男性の半数に前立腺の肥大が生じています。これは老化現象の一種ですが、肥大して大きくなった前立腺により、尿道が圧迫を受けることで症状がでます。最初は夜間の排尿回数が多くなるだけのことがありますが、進行すると勢いが弱くなって、排尿しても常に尿が残った感じがでて、何度もトイレに行く必要が出てきます(残尿感と頻尿)。
- このような症状を感じたら、超音波検査で前立腺を観察することで診断が簡単にできます。
- 治療は単純で内服薬による治療が進んでいます。当院の最新式の尿流量測定検査を繰り返すことで、排尿の状態を手間がかからず簡単に診断ができ、治療のモチベーションが保てます。
- 怖い前立腺癌が潜んでいないか、細菌感染に侵されていないかあわせて検査をお勧めします。
こんな症状はありませんか?
- 前立腺特異抗原 PSAが高いといわれた
- 精液に血が混じることがある
- 前立腺肥大症の治療をしているのに良くならない
このような症状を感じたら、前立腺癌かもしれません
- 近年、前立腺癌の発生件数が増加しています。もともと前立腺癌は症状が出にくく、進行しても気がつかないことが多い怖いガンです。血液検査でPSAを測定することで早期発見ができますので、50歳以上の男性はぜひPSA検査をうけましょう。
- 検診や人間ドックの血液検査でPSAが高いといわれた方は、この際にぜひ、ご相談ください。
こんな症状がありませんか?
- 排尿時にいたみがある
- 熱が出る
- 血尿がでる
- 会陰部や下腹部に重い様な不快感がある
こんな時は 前立腺炎かもしれません
- 前立腺に細菌やクラミジアが感染し、強い炎症が起こり、発熱がみられたり、強い排尿症状から尿がでなくなることもあるタイプと、感染がなくストレスなどが原因で主に外陰部や下腹部会陰部に不快感を感じるだけといったタイプがあります。
- 尿検査や超音波検査、血液検査から診断を行います。正しく抗生剤を内服することでほぼ完治しますが、診断が遅れたり、適切に治療がなされないと慢性化したり、繰り返し発症することがあるので注意が必要です。
腎臓・尿管・膀胱の病気
こんな症状はありませんか?
- 肉眼的には異常を感じないが、検診などで尿潜血が陽性といわれた
こんなときは慢性糸球体腎炎、尿路結石症、尿路悪性腫瘍の検索をおすすめします
- 尿潜血検査はとても敏感ですが、実際に尿に血液が混入しているかは実際に顕微鏡で尿を観察する必要があります。顕微鏡で血尿が確認された場合は血液検査や超音波検査を行い、病気の検索が必要です。
- 慢性糸球体腎炎は顕微鏡でしか見えない様な微量の血尿と尿タンパクを特徴とします。自覚症状はありませんが放置すると血圧の上昇に始まりやがて腎臓の機能が衰え最終的に腎不全症といって透析が必要となることがありますので、専門医のもとで厳重な健康管理が必要です。
こんな症状はありませんか?
- 肉眼でみて血尿があった
- 腰や背中、下腹部の強い痛みがある
こんな時は尿路がんや尿路結石症かもしれません
- 肉眼で血尿が見られた場合はその半数に病気があります。他に症状が無い場合は特に注意が必要です。なぜなら膀胱がん、尿管がんそして腎臓がんは肉眼的な血尿のみを自覚症状とすることが多いからです。肉眼で血尿が見られれば、できるだけ早く泌尿器専門医による超音波検査、腹部CT検査そして膀胱内視鏡検査が必要です。当院では痛みの少ない軟性膀胱ファイバーを備えています。
- 尿管結石症は血尿のほかに腰や背中、下腹部の突然の痛みを伴うことが多く、内服薬などではおさえきれないことがほとんどです。まず、十分な除痛治療が必要ですが、繰り返して受診することもありますので、市中の病院では待ち時間も長く、当院の様なクリニックの方が有利かもしれません。
- 結石の破砕、摘出については待機期間が必要です。当院に通院しながら、専門病院への紹介をします。
尿道の病気
こんな症状はありませんか?
- 排尿時に尿道が痛い
- 尿道の先からうみの様な液体がでる
そんな時は尿道炎かもしれません
- 尿道炎は性行為感染症の代表疾患です。性行為を介して淋菌あるいはクラミジアという病原体に感染し、数日から1~2週間の潜伏期間を経て症状がでます。
- 尿道から分泌された液体や尿を調べることで病原体を明らかにして適切な抗生剤を投与して治療します。適切に診断されれば、治療は1回の薬剤投与で90%以上が治癒しますが、そうでない場合は症状がなくなっても病原体が体内に残ったままとなり、大切なパートナーにうつしてしまうことがあるので注意が必要です。
- この病気の検査や治療を受ける時はパートナーもご一緒に検査、治療をお受けになるといいでしょう。
陰茎の病気
こんな症状はありませんか?
- 陰茎の表面に赤いツブツブができてヒリヒリと痛む
- 陰茎の表面にイボ状のできものができた
こんな時は性器ヘルペスや尖形コンジローマかもしれません
- これら病気は性行為感染症の一種でウィルス感染が原因です。
- 性器ヘルペスは陰茎の皮膚が赤くただれた様になり、数ミリの大きさの水泡に似た発疹ができるのが特徴です。一度感染すると体内に残って、体調が優れない時などに再発することがあります。症状が出たら早めに抗ウィルス剤を内服または点滴することが必要です。性器ヘルペスと診断されて治療を受けているのに効果がないという時は他の病気であるかもしれませんのでご相談ください。
- 尖形コンジローマはパピローマウイルスに感染した細胞が異常に増殖してイボを作ります。大きなものは手術で切除しますが、手術でとっても 別の場所に再発することも多く、イキモイドクリームという外用剤が再発防止も含めて効果があります。
精巣の病気
こんな症状はありませんか?
- 精巣が腫れて大きい
- 精巣が痛い
そんなときは精巣上体炎、陰のう水腫、精巣癌かも知れません
- 精巣の腫れ方や発熱、痛みのあるなしで病気を見分けることができますが、時に精巣がんが見られますので、必ず専門医を受診して血液検査、超音波検査が必要です。
女性にみられるお悩み、病気 (臓器別)
膀胱の病気
こんな症状はありませんか?
- 排尿時の痛み、排尿後にも尿が残った感じがする
- 強い尿意の割に思ったほど排尿が出ない
そんなときは急性細菌性膀胱炎かもしれません
- 女性の来院理由で最も多いのが、排尿時の痛みと残尿感そして頻尿です。
- 症状は突然におきますが、便秘や下痢、冷えが原因となることがあります。
- 尿を採取し顕微鏡で観察して、尿の中に細菌と白血球が見られれば膀胱炎と診断できます。治療は抗生剤を数日間内服し、水分接種と保温につとめます。
こんな症状はありませんか?
- 尿意がでると我慢ができずトイレに駆け込む
- 我慢できず尿が漏れることがある
- くしゃみや咳をすると尿が漏れる
こんなときは過活動膀胱・腹圧性尿失禁かもしれません
- 女性のおしっこの悩みにとても多いのが、尿漏れです。尿漏れには過活動膀胱と腹圧性尿失禁の2つの病気があります。
- 過活動膀胱では膀胱に尿が溜まり始めると、早めに尿意を感じる様になるので頻繁にトイレに行きたくなります。また、意識とは別に勝手に排尿をしようとするためとても強い尿意(尿意切迫感)をおぼえ、時には尿漏れを引き起こします。
- 腹圧性尿失禁は、尿をためておくために尿道を引き締めておく筋肉からなる尿禁制機構が衰え、咳やくしゃみなどで強い力がおなかに加わると膀胱が圧迫されて尿が漏れ出てしまうのです。
- 最近はとても効果のあるお薬が多数、開発されていますので、個人にあった内服薬を探しましょう。お薬治療のほかに体操による失禁防止を指導しています。また、当クリニックでは低周波を用いた尿失禁治療器械を行い、好評を得ております。
- また、最近では尿もれに対する手術療法も発達しており、病診連携を通じて尿失禁手術専門医への紹介も行っております。
デリケートゾーンの病気
こんな症状はありませんか?
- デリケートゾーン(外陰部)にひりひりとした痛みや、かゆみがある。
- 市販薬をぬっているけれど良くならない。
こんなときは性器ヘルペス、膣カンジダ症、膣トリコモナス症かもしれません
- 他人はもちろん、かかりつけのお医者さんにもなかなか相談ができない症状なので、つい、市販薬で治そうとされる方も多いようです。また、時に排尿の際や排尿した後に痛みや不快感を感じる場合もあり、泌尿器科を受診される方も多いですね。
- 当クリニックでは診察室と別に専用の検査室がありますので、リラックスして診察を受けていただくよう心がけております。
お子様に多い症状
男の子をお持ちのお母さんへ
こんな症状はありませんか?
- おちんちんを痛がる、腫れている
- 包茎をどうして良いかわからない
こんなときは亀頭包皮炎かもしれません
- 男の子は思春期を迎えるまではほんらい包茎です。つまり、亀頭は包皮という皮膚によって包まれている状態でかまいません。けれども、このままでは包皮と亀頭との間に垢が溜まりやすく、細菌の感染がおきると炎症を起こして赤く腫れて、痛みを伴います。これが亀頭包皮炎という病気です。
- 亀頭包皮炎は本人にとても苦痛を伴うことと、おちんちんが赤く腫れあがることですぐにわかります。自然になおるのを待つより、抗生剤を投与することが良いでしょう。この場合、塗り薬だけで治すのは難しいでしょう。
- お子様の包茎は特別に治療をするものではありません。けれども、お風呂に入ったときなどに包皮をむいて亀頭との間に溜まった汚れを洗ってあげることが大切です。できれば赤ちゃんのときから始めましょう。包皮をむくことが難しいときはご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 睾丸が触れない
- 陰のうが腫れておおきくなっている
こんなときは停留精巣(停留睾丸)、精巣水腫かもしれません
- 男の子の外陰部の観察はお風呂中やお風呂からあがったがときがチャンスです。包皮はむけるか、陰のうにちゃんと両方の睾丸が触るか簡単に観察できます。
- 睾丸が陰のうの中に探しても触れないときは睾丸が男の子のおなかの中に入ったままかもしれません。このような状況を停留精巣(睾丸)と呼びます。1歳をすぎてこの状況が続くときは精巣の発達を促すためにも精巣を探し出して陰のうの中に戻すことが必要です。ご心配であればまず専門医を受診しましょう。
- 他の男のお子様にくらべて陰のうが腫れて大きいとお気づきのときは精巣水腫といって精巣のまわりにあるリンパ液がふえてみずぶくろのように大きくなっている状態です。ときに脱腸をともなうことがあり、エコー検査がその判断に役立ちます。
こんな症状はありませんか?
- おねしょが治らない
おねしょは病気ではありません。お母様もひとりで悩まず、当クリニックがおちからになります
- そろそろ小学校にあがる頃だけれど、おねしょがなかなか・・とお悩みのお母様、きっとまわりにも同じ悩みのお母さんがいるはずですから安心を。おねしょは本来、歳がたつほどになおっていきます。おくすりでなおるという単純なものではありませんが、お子様と一緒におねしょを克服しようという姿勢がたいせつです。
- 当クリニックでは夜尿日誌という記録をつけながら、生活指導、内服治療、アラーム療法などをおこない、おねしょが早くおさまるよう努めています。『ひとりで悩まない、おこさまを責めない』これがポイントです。
前立腺がんが心配な方、PSAが高いといわれた方へ
当院では前立腺癌の早期発見、治療を行っております。
前立腺がんの発生件数が年ごとに多くなり、男性の死亡原因の上位を占める様になっています。前立腺癌は血液検査でPSA(前立腺特異抗原)を調べることで症状がでる前に早期に発見ができます。早期に前立腺がんを発見できれば、治療によって完治することができるようになりました。
さらに地域のがん検診や人間ドックでもPSA健診が導入されていますので、50歳以上の男性は機会を見逃さずお受けになることをお勧めします 。
当院ではPSA測定のほか、超音波検査や直腸指診による前立腺がんスクリーニングをおこなっています。
PSAが高い(4.1ng/ml以上)といわれていても、不安で専門機関に受診できずにいる方はぜひともご相談ください。
- 日帰り検査による前立腺針生検をおこなっています。
- PSAの値が4.1〜10.0ng/ml の範囲の方では生検を行わず、血液検査や画像検索で経過を見ることもあります 。
- 前立腺がんが発見された場合には、近隣のがん拠点病院と連携して治療を継続して行っています。
連携しているがん拠点病院:岐阜大学付属病院、岐阜県総合医療センター、木沢記念病院